一台のスピーカーに込めた20年の想い
― KHシステム誕生の物語



オーディオの世界は、常に新しい技術と伝統的な手法がせめぎ合いながら進化してきました。デジタル化やワイヤレス化が進む一方で、アナログの温かみや人の手によるものづくりが見直されています。

ここでご紹介するのは、duende audio が生んだ独自技術 KHシステム(Kinetic Harmonics System) の開発秘話です。一人のエンジニアが20年以上にわたって温め続けた構想が、ようやく形となった物語をお届けします。


オーディオメーカーでの経験から



開発者は、かつてオーディオメーカーでスピーカー開発を担当していました。数々のプロジェクトに関わり、多数の製品を世に送り出してきましたが、その中で常に心に引っかかっていたことがありました。

それは、「スピーカー方式には必ず避けられない弱点がある」 という事実です。

  • 1wayスピーカーは定位は正確だが、低音や高音の伸びが足りない
  • 2wayスピーカーは広帯域をカバーできるが、低音が不足しやすい
  • バスレフ型は低音を補えるが、中高域が濁ってしまう

「この限界を超える仕組みはないのか?」
その問いが、KHシステム誕生の原点でした。

小さな部屋から始まった挑戦



メーカーを離れた後、自らの理想を追い求めるために小さな部屋での研究が始まりました。図面を引き、試作機を作り、失敗してはまた作り直す。

20年という歳月の中で試したアイデアは数えきれません。音響シミュレーションの理論と、実際に耳で聴く感覚。その両方を行き来しながら、少しずつ形を変えていきました。

やがて辿り着いたのが、従来のバスレフ構造を根本から見直し、低域と中高域を両立させる 全く新しい音響構造 ― KHシステムです。


エンジニアの手で一台ずつ

構造が完成した後も、課題は残されていました。
それは「量産ではなく、一台ごとに理想の音を作り上げる」という姿勢です。

木材の個性、組み立ての微妙な精度、塗装の仕上げ。どれも音に影響を与える要素です。だからこそ、duende audio のスピーカーはハンドクラフト。エンジニアの手で一つひとつ調整を行い、音楽を愛する人にふさわしい仕上がりを目指しています。


初めて音が鳴った瞬間



初めて完成品から音が鳴ったとき、開発者はこう語っています。

「幾度もの試行錯誤の結果、ようやく理想の音に出会えた気がした。サブウーファーなしで重低音が響き、ボーカルや楽器の輪郭や透明感も失われない。長い時間をかけた答えをやっと見つけた。」

この瞬間から、KHシステムは単なる技術ではなく、ひとつの製品として動き始めました。


理想の音を世界へ ― duende audio の挑戦

KHシステムはまだ始まりに過ぎません。
これからも、より多くの人に「理想の音」を届けるために、duende audio の挑戦は続いていきます。

大量生産ではなく、一人ひとりに寄り添うものづくり。
音楽と共に暮らす人々の生活を豊かにすること。

その想いを胸に、今日もまた、一台のスピーカーが丁寧に組み上げられています。


まとめ

KHシステム誕生の背景には、

  • 既存方式の限界を超えたいという技術者の情熱
  • 小さな部屋から始まった20年の研究と試行錯誤
  • エンジニアの手仕事による丁寧な仕上げ

があります。

この物語を知ったうえで音を聴くと、きっと違った響き方をするはずです。
duende audio のスピーカーには、単なる「製品」を超えた 時間と想いの積み重ね が込められているのです。

バスレフ型スピーカーの弱点を克服する
― KHシステムがもたらす革新



オーディオの世界では、スピーカー構造によって音の特徴や表現力が大きく変わります。その中でも広く普及している方式が「バスレフ型スピーカー」です。豊かな低音を再生できる反面、いくつかの課題を抱えてきました。この記事では、バスレフ型の仕組みとその弱点、そしてそれを克服するために開発された KHシステム(Kinetic Harmonics System) について詳しく解説します。


バスレフ型スピーカーとは?



スピーカーの内部に空気を貯め、スピーカーユニットの背面から出る音を「ポート」と呼ばれる穴から放出して低音を補強するのがバスレフ型の仕組みです。
密閉型と比べると、ユニットサイズが小さくても低域を伸ばせるため、コンパクトなスピーカーでも迫力を出せるのが大きな特徴です。

しかし、長所の裏には必ず短所があります。


バスレフ型の弱点

  1. 中高域の濁り
     ポートから出る音は低音だけではなく、中高域の一部も混じることがあります。そのため、音像がぼやけて定位が崩れることがありました。
  2. 質感の損失
     低音は豊かでも、ボーカルや弦楽器など繊細な音が曇ってしまい、音楽全体の解像度が下がる傾向があります。
  3. セッティング依存度が高い
     壁や床の反射によって低音が増えすぎたり減ったりしやすく、部屋の環境によって大きく音が変わってしまうのも悩みどころです。

KHシステムが挑んだ課題



duende audio が開発した KHシステム は、こうしたバスレフ型の弱点を解消するために生まれました。
20年以上の研究と試行錯誤の末に完成したこのシステムは、以下の特徴を備えています。

  • 中高域のクリアさを保持
    ポートの設計を根本から見直すことで、中高域の濁りを抑え、輪郭のはっきりした音を再現。
  • 深みのある低音
    バスレフならではの量感をさらに進化させ、サブウーファーがなくても十分な重低音を鳴らすことが可能に。
  • 自然な音場の広がり
    位相特性や残響に配慮した構造設計により、音が空間に自然に広がり、長時間聴いても疲れにくい。

聴感上の違い



実際にKHシステムを体験したユーザーからは、次のような声が寄せられています。

  • 「低音が出ているのに、音が濁らない」
  • 「サブウーファーを追加したかのような厚みなのに、自然で聴き疲れしない」
  • 「ジャズやクラシックの生音がよりリアルに感じられる」

単なる低音強化ではなく、音楽全体の質感や空気感を損なわずに低域を伸ばす点が大きな特徴です。


まとめ

バスレフ型スピーカーは長年愛されてきた方式ですが、その弱点は避けられませんでした。
duende audio の KHシステム は、従来の構造を一から見直すことで「豊かな低音」と「澄んだ中高域」の両立を実現しました。

もし「小さなサイズでも迫力ある低音を楽しみたい」「自然でクリアな音を求めている」と思う方は、ぜひKHシステム搭載スピーカーを体験してみてください。

新しい音の世界が、そこに広がっています。

小さな部屋でも楽しめる重低音
― サブウーファーなしのリスニング体験



「自宅のリビングや書斎で音楽を楽しみたいけれど、部屋が狭いから迫力のある音は無理だろう」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。特に集合住宅やワンルームでは、大きなスピーカーやサブウーファーを設置するのは現実的ではありません。

しかし実際には、小さな部屋でも深みのある音を楽しむ方法があります。ここでは、duende audio のスピーカーを導入したユーザーの体験をもとに、その魅力をお伝えします。


「サブウーファーがないのに、低音が響く」驚き



あるユーザーは、ワンルームマンションの10畳ほどの部屋にKHシステム搭載スピーカーを設置しました。

初めて音を鳴らした瞬間、驚きの声があがったといいます。

「サブウーファーを置いていないのに、映画館のような重低音が部屋に広がった。しかも床や周辺のものが揺れないから近隣を気にせず楽しめる」

従来の小型スピーカーでは物足りなかった低域が、自然で深く再生される。これこそKHシステムの真骨頂です。


リビングが“専用リスニングルーム”に変わる

別のユーザーは、家族と暮らすリビングに設置しました。テレビの横に置いただけで、音楽・映画・ゲームの体験が一変。

「家族と一緒に映画を観たとき、効果音の迫力に思わず笑ってしまった。普段のリビングが特別な空間に変わった」

特別なセッティングや大型のスタンドは不要。置くだけで空間全体に自然な音場が広がり、まるで専用のオーディオルームのように感じられるのです。


集合住宅でも安心できる理由



サブウーファーを使った場合、どうしても床や壁を伝って振動が響いてしまいます。しかしKHシステムの低音は「揺らす」低音ではなく、「沈み込む」ような低音。

そのため、マンションやアパートでも周囲に迷惑をかけにくく、安心してボリュームを上げられるのも大きなメリットです。

「以前は隣人に気をつかって音量を下げていたけど、今は自然な低音だから夜でも楽しめる」

という声もいただいています。


小さな部屋だからこそ「音の質」で差が出る



実は狭い空間では、音の反射や定在波の影響が出やすく、低音が膨らんだり消えたりしやすいのです。だからこそ、スピーカー自体の設計が重要になります。

KHシステムは部屋の影響を受けにくい構造を持ち、小さな部屋でも自然でバランスの良い音を再生。

  • 音楽ではボーカルが前に出て、楽器の位置関係がはっきり分かる
  • 映画ではセリフが明瞭で、効果音が空間に溶け込む
  • ゲームでは臨場感が増し、没入感が高まる

というように、日常の中で音体験をワンランク上げてくれるのです。


まとめ

小さな部屋だからといって、迫力のある音を諦める必要はありません。

  • サブウーファーなしでも深い低音を楽しめる
  • リビングや書斎が専用リスニングルームに変わる
  • 集合住宅でも安心して音を鳴らせる

これらを実現するのが、duende audio の KHシステム搭載スピーカー です。

あなたの部屋でも、新しい音の世界を体験してみませんか?


ジャズからクラシックまで
― 音楽の魅力を引き出すスピーカー体験



音楽を聴くとき、私たちはただ「音」を楽しんでいるのではありません。
ピアノのタッチ、サックスの息づかい、オーケストラの広がり。そうした細やかなニュアンスが再現されて初めて、心に響く「音楽体験」となるのです。

しかし一般的なスピーカーでは、ジャンルによって得意・不得意があり、どんな音楽でも理想の表現をするのは難しいとされてきました。
そこで今回は、ジャズやクラシックといった生音の魅力をどう引き出すか、そして duende audio のKHシステム搭載スピーカーがもたらす体験についてご紹介します。


ジャズに求められる「空気感」と「グルーヴ」



ジャズを聴くときに重要なのは、リズムの躍動感と即興演奏の空気感です。

  • ベースの低音がリズムを支え
  • ドラムのシンバルが空間を彩り
  • サックスやトランペットの息づかいが生々しく響く

小型スピーカーではこの低音の量感が不足しがちですが、KHシステムはサブウーファーに頼らずとも深い低域を再生。さらに中高域が濁らないため、シンバルやブラスの輝きがそのまま伝わります。

「小さなリビングでも、まるでジャズクラブの最前列に座っているようだ」

そんな体験を生み出せるのは、低音と高音を自然に両立させる独自構造の強みです。


クラシックに欠かせない「ダイナミクス」と「音場感」



クラシック音楽は、ピアニッシモからフォルティッシモまでの幅広いダイナミクスを再現できるかどうかが重要です。弱音の繊細さと、大編成オーケストラの重厚な響き。その両立ができるスピーカーは多くありません。

KHシステムでは、

  • 弦楽器の細やかなニュアンスを失わず
  • ティンパニやコントラバスの低音が自然に沈み込み
  • ホールの残響までも再現する音場感

を実現します。

小型サイズでありながら、クラシックの壮大さをしっかりと表現できるのは、多くのユーザーが驚くポイントです。


ポップスやボーカル曲で感じる「近さ」



ポップスやボーカル曲では、歌声のリアルさが一番大切です。
KHシステムは中域の明瞭さに優れているため、声が前に出てきて歌詞がはっきりと届きます。リスナーはまるで目の前で歌っているような感覚を味わうことができます。

「お気に入りのアーティストの声が、今までより近く、鮮明に感じられた」

という感想も寄せられています。


「音楽のジャンルを問わない」という価値



一般的にスピーカーは「ジャズ向き」「クラシック向き」といった特徴で語られることが多いですが、KHシステム搭載スピーカーはその垣根を超えます。

  • ジャズのグルーヴ
  • クラシックのスケール感
  • ボーカル曲の親密さ

すべてを自然なバランスで楽しめるのです。これこそが、音楽をジャンルごとに選別せず「ただ好きな曲を聴く」喜びを与えてくれる最大の魅力です。


まとめ

音楽を深く楽しむためには、低音・中音・高音のバランスが取れた自然な再生が欠かせません。
duende audio の KHシステム搭載スピーカー は、

  • ジャズの生々しいライブ感
  • クラシックの壮大な音場
  • ボーカルの鮮明さ

を小型筐体で両立し、部屋全体を豊かな音楽空間に変えてくれます。

ジャンルに縛られず、あらゆる音楽を「作品にふさわしい音」で楽しむ。
それが、duende audio が目指すリスニング体験です。